めしべはスパイス・おしべは食用黄色

一般名・商品名

サフラン 「オータムゴールド」

英名

Saffron Crocus

生態系被害防止外来種リスト（2020.11.02改訂）

収載	区分	法的対応	栽培
なし	外来種	なし	注意点

紹介

　アヤメ科クロッカス属に属する多年草、学名は Crocus sativus で、花季は秋です。

　原産地は小アジアとされ、現在は地中海沿岸地域や中央アジアで広く栽培されています。日本へは江戸時代に渡来しました。花は薄紫色で、中心に鮮やかな赤橙色の雌しべ（スティグマ）が3本あります。この雌しべが高価なスパイス「サフラン」として利用されます。葉は細長く、濃い緑色です。芳香があり、エディブルフラワーとしても人気です。乾燥に強く、日当たりの良い場所を好みます。耐寒性があり、寒冷地でも栽培可能です。夏場の過湿には注意が必要です。花壇、鉢植え、ロックガーデンなどで楽しめます。スパイスとしての利用も魅力的で、家庭菜園としての栽培も人気です。

　同じアヤメ科のアイリスやグラジオラスと比べ、サフランは小ぶりな花ですが、その希少価値と多様な利用法が特徴です。同属のクロッカスと比較すると、いくつかの重要な違いがあります。一般的なクロッカスが春に咲くのに対し、サフランは秋咲きです。また、サフランの花は一般的なクロッカスよりも大きく、特に目立つ赤橙色の雌しべが特徴的です。さらに、サフランは不稔性で種子を作らないため、球根での増殖のみが可能です。これに対し、一般的なクロッカスは種子でも増やすことができます。価値の面でも、サフランは高価なスパイスとして知られていますが、一般的なクロッカスにはそのような用途はありません。

　サフランは古代から珍重され、「赤い黄金」と呼ばれるほど高価なスパイスです。その栽培と収穫には多くの労力が必要で、1gのサフランを得るには約150輪の花が必要とされます。古代エジプトではミイラの防腐処理に使用され、中世ヨーロッパでは富の象徴とされました。また、その鮮やかな色から染料としても重宝されてきました。

　サフランの花言葉は「慎み深さ」「純潔」「節制」です。その控えめな美しさと高貴な価値から、このような意味が与えられたと考えられています。

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