名残を惜しむオキザリス

そしてまた始まりを祝福

　月明かりに照らされた花壇で、花を閉じ、葉っぱをたたんだオキザリスを見たことがありますか？

　オキザリスは、日が暮れると一日の終わりを惜しむかのように眠りにつき、そして、朝日を浴びると花びらを大きく開き、葉を広げて一日の始まりを祝福します。別名はカタバミ。その名の由来は「酸っぱい」という意味です。葉を口にすれば、確かにすっぱい味がします。

　オキザリスの花言葉は「愛らしさ」「幸福」「喜び」。確かに、その愛らしい姿を現しています。でも、もう一つ面白い花言葉があります。それは「別れの悲しみ」。これは、花が閉じる様子が別れを惜しむ人の姿に似ていることから来ているのかもしれません。オキザリスには不思議な力があると信じられ、昔から幸運を呼ぶお守りとして愛されてきました。特に四つ葉のオキザリスは、四つ葉のクローバーと同じくらい幸運のシンボルとされています。

　オキザリスの世界はカラフルです。紫の葉を持つムラサキカタバミ、銅色の葉が美しいカッパートーン、そして白と赤のストライプの花を咲かせるキャンディケインオキザリス。これら園芸種のいくつかを覗いてみましょう。

銅葉やカラーリーフのオキザリス

a) オキザリス・トライアンギラリス（Oxalis triangularis）
通称：ムラサキカタバミ
特徴：深い紫色の三角形の葉を持ち、白やピンクの花を咲かせます。
栽培：半日陰を好み、室内でも育てやすい品種です。

b) オキザリス ‘アイアンクロス’（Oxalis ‘Iron Cross’）
特徴：緑の葉の中心に濃い紫色の十字模様があり、黄色い花を咲かせます。
栽培：日向から半日陰で育ち、寒さにも比較的強い品種です。

c) オキザリス ‘カッパートーン’（Oxalis vulcanicola ‘Copper Tone’）
特徴：銅色がかった赤褐色の葉を持ち、黄色い花を咲かせます。
栽培：日向を好み、乾燥に強い品種です。

芳香性のオキザリス

a) オキザリス・アデノフィラ（Oxalis adenophylla）
通称：シルバーシャムロック
特徴：銀灰色の葉と淡いピンクの花を持ち、かすかな甘い香りがします。
栽培：涼しい気候を好み、岩庭などに適しています。

b) オキザリス・ヴァーシカラー（Oxalis versicolor）
通称：キャンディケインオキザリス
特徴：白と赤のストライプの花を持ち、軽い甘い香りがします。
栽培：日向から半日陰で育ち、冬に開花します。

c) オキザリス・セヌルア（Oxalis cernua）
通称：オオキバナカタバミ、バミューダバターカップ
特徴：明るい黄色の花を咲かせ、かすかなレモンのような香りがします。
栽培：環境省”その他の総合対策外来種”に指定されています。いったん増殖すると駆除が困難です。

稀少なオキザリス

a) オキザリス・パルミフロンス（Oxalis palmifrons）
特徴：ヤシの葉のような形の珍しい葉を持ち、白い花を咲かせます。
栽培：乾燥に強く、多肉植物のように育てます。

b) オキザリス・エングレリアナ（Oxalis engleriana）
特徴：細い葉っぱが可愛らしく、ピンク色の小さめの花が咲きます。
栽培：日当たりがよく、水はけのよいところで育てます。

c) ブッシュオキザリス（Oxalis hirta var. tubiflora）
特徴：小さな灌木のような形態を持ち、ピンクや白の筒状の花を咲かせます。
栽培：日向を好み、乾燥に強い品種です。南アフリカ原産の珍しい種です。

これらのオキザリスは、それぞれ独特の特徴を持ち、園芸愛好家の間で人気があります。

販売