一般名・商品名
ヘリオトロープ 「香水草」
英名
Heliotrope
生態系被害防止外来種リスト(2020.11.02改訂)
収載 | 区分 | 法的対応 | 栽培 |
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なし | 外来種 | なし | 注意点 |
紹介
ムラサキ科キダチルリソウ属に属する多年草、学名は Heliotropium arborescens で花季は夏から秋です。ペルー原産の植物で、18世紀半ばにヨーロッパに伝わり、その後世界中に広まりました。
紫や白の小さな花が集まって咲き、バニラのような甘い香りを放ちます。エディブルフラワーとしても利用でき、蝶や蜂を引き寄せる効果があります。
日当たりの良い場所を好み、水はけの良い土壌で育てます。耐寒性は弱いので、寒冷地では室内での越冬が必要です。高温多湿には比較的強いですが、過度の乾燥は避けましょう。鉢植えやコンテナガーデン、花壇の縁取りに適しています。香りを楽しむなら、テラスや窓辺など、近くで鑑賞できる場所がおすすめです。
同じムラサキ科のワスレナグサやムラサキと同様に、小さな花が集まって咲く特徴がありますが、ヘリオトロープの香りの強さは群を抜いています。
ヘリオトロープの名前は、ギリシャ語の「helios(太陽)」と「tropos(回転)」に由来し、ギリシャ語で「太陽に向かう」という意味があります。これは、花が太陽の動きに合わせて向きを変えるという古代の観察に基づいています。実際にはそこまでの動きはありませんが、太陽を愛する植物というイメージが定着しています。
19世紀末、ヘリオトロープの香りを模した香水「エリオトロープ・ブラン」が日本で初めて市販された外国製香水となりました。その後、夏目漱石の『三四郎』や江戸川乱歩の『暗黒星』など、文学作品にも登場し、当時の人々を魅了しました。現在では、天然の精油ではなく合成香料で香りを再現していますが、その甘く優雅な香りは今も多くの人々に愛されています。ガーデニングの世界でも、香りを楽しむ植物の代表格として人気が高く、白花品種や香りの異なる品種も多数開発されています。
ヘリオトロープには、いくつかの美しい花言葉があります。主な花言葉は「献身的な愛」「誠実」「私はあなたに夢中」です。これらの花言葉は、ヘリオトロープの花が太陽を追いかけるように見える性質から生まれたと言われています。太陽に向かって忠実に向きを変える様子が、献身的な愛や誠実さを象徴していると考えられたのです。
また、「永遠の愛」という花言葉もあります。これは、ヘリオトロープの花が長期間にわたって咲き続ける性質から来ています。夏から秋にかけて長く花を咲かせ続けるヘリオトロープの姿が、変わることのない永遠の愛を表現しているのです。
さらに、「陶酔」という花言葉もあります。これは、ヘリオトロープの放つ甘い香りが人々を魅了し、陶酔させることから生まれました。その香りの魅力は古くから認められ、ナポレオン1世の最初の妻ジョゼフィーヌが特に好んだことでも知られています。
歴史的には、ヘリオトロープは占いや魔術にも使用されていたという興味深い逸話があります。古代ギリシャやローマでは、ヘリオトロープの花を身につけることで透明になれると信じられていたそうです。また、中世ヨーロッパでは、ヘリオトロープの花を枕の下に置くと、将来の夢を見ることができるとも言われていました。
このように、ヘリオトロープは単なる観賞用の植物以上の魅力と歴史を持っています。その美しい花、甘い香り、興味深い特性、そして深い意味を持つ花言葉など、多くの魅力を兼ね備えた植物です。庭や室内に取り入れることで、視覚的な美しさだけでなく、香りの楽しみ、そして植物が持つ豊かな物語も一緒に楽しむことができます。
販売
英国ミスターフォザーギルズシード&ジョンソンシード Wildlife Garden Heliotorope Dwarf Marine ワイルドライフ・ガーデン・ヘリオトロープ・ドワーフ・マリーン