バラの進化と多様性: 野生種から現代品種まで|【バラ図鑑】その3

Rosa glauca
Rosa glauca: photo by nonioke copyright reserved
目次

 バラ目バラ科バラ属(Rosales – Rosaceae – Rosa)は園芸の王者と呼ばれ、その美しさと香りで多くの人々を魅了してきました。しかし、現代の多様なバラ品種の背後には、約200種もの原種バラの存在があることをご存知でしょうか[ 1 ]?本記事では、バラの起源から現代の育種技術まで、植物学的な視点からバラの進化と多様性についてみていきます。原種バラの特徴、地理的分布、遺伝的多様性、そして人類の手による品種改良の歴史を辿りながら、バラ愛好家や園芸初心者の方々に、バラの奥深い世界をご紹介します。日本固有の原種バラや、園芸品種の祖先となった重要な原種についても触れ、バラの魅力を科学的な視点から再発見します。

137種の原種バラたち:現代バラのルーツを探る

 バラ属(Rosa)には、約150 – 200種の原種が存在します[ 1 ]。これらの原種は、現代の園芸品種の基礎となっています。以下に、137種の原種バラを紹介します。

 上記リストは、自生地別にまとめています。バラの呼び名は地域や文化により異なることがあります。これらの種は、現代のバラ品種の基礎となった重要な遺伝資源です。それぞれが独自の特徴を持ち、様々な環境に適応してきた結果、多様性に富んだバラの世界を形成しています。

原種バラの地理的分布:北半球に集中する理由

 原種バラの自生地は、ほぼすべてが北半球にあります。その理由は以下のように考えられます。

進化の歴史:[ 2 ] [3 ]

  • バラ属(Rosa)の化石記録は約3500万年前(漸新世)まで遡ります。
  • 分子系統学的研究によると、現存するバラ属の主要な系統の分岐は約3000万〜4000万年前に始まったと推定されています。
  • 現代のバラ属の多様化は、主に中新世(約2300万年前〜530万年前)に起こったと考えられています。

発祥地の推定:[ 1 ] [ 4 ]

  • 中央アジア
    特に現在の中国西部、チベット高原、ヒマラヤ山脈周辺が重要な発祥地と考えられています。この地域は多くのバラ種の遺伝的多様性が高く、原始的な特徴を持つ種が多く見られます。
  • 西アジア
    イラン、トルコ、コーカサス地方なども重要な多様化の中心地です。
  • ヨーロッパ
    特に地中海地域は二次的な多様化の中心として重要です。
  • 北米
    一部の系統は北米で独自の進化を遂げました。

 これらの地域の中でも、中央アジアが最も重要な発祥地と考えられています。分子系統解析の結果、最も原始的なバラの系統がこの地域に集中していることが示されています。

地理的要因:

  • バラ属(Rosa)は、北半球の温帯地域で適応・多様化し、そこで広く分布を広げました。
  • 赤道付近の熱帯地域が、温帯性のバラ属の南下を妨げた可能性があります。
  • 大陸移動の歴史が、バラの分布に影響を与えました。
  • 北半球には広大な陸地が存在し、バラが分布を広げやすい環境がありました。
  • 北半球の大陸は長期間つながっていたため、種の交流が可能でした。
  • 南半球は海洋が多く、陸地が分断されているため、分布拡大の機会が限られていました。

気候条件:

  • 多くの原種バラは温帯気候に適応しています。
  • 北半球には広大な温帯地域がありますが、南半球の温帯地域は比較的狭いです。

南半球の状況:

  • 南半球にも少数の原種バラが存在します。
  • 例えば、Rosa rubiginosa(スイートブライアー)は南米南部に自生しています。
  • しかし、これらは人為的に持ち込まれた可能性が高く、真の原産地ではない可能性があります。

人為的影響:

  • 人間の活動により、一部のバラ種が南半球に導入されました。
  • これらは時に侵略的な外来種となることがあります。

オーストラリアとニュージーランド:

  • オーストラリアとニュージーランドには、原種バラの自生はみられません。
  • オーストラリアとニュージーランドは、ゴンドワナ大陸の一部として他の大陸から分離しました。この分離は約8000万年前に始まり、バラ属の植物が進化する以前に完了していました。バラ属の植物は比較的新しい分類群で、その起源は約3500万年前と考えられています。
  • オーストラリアの大部分は乾燥した気候であり、バラの自然生育に適していません。ニュージーランドはより温和な気候ですが、バラが自然に到達するには遠すぎました。
  • 現在オーストラリアとニュージーランドで見られるバラは、すべて人為的に導入されたものです。これらは主にヨーロッパの入植者によって18世紀以降に持ち込まれました

 原種バラは主に北半球の温帯地域で進化し、地理的・気候的条件が有利だったため、そこで広く分布を広げました。南半球には自然に分布を広げる機会が少なく、原種バラはほとんど見られません。南半球で見られるバラの多くは、人為的に持ち込まれたものか、栽培品種です。

日本の原種バラ:固有種と自生種

 以下に示す 14種は日本の原種バラとされています。日本には多くの原種バラが自生しています。

 上記バラの中で、Rosa multiflora ( ノイバラ ) 、Rosa rugosa ( ハマナス )、Rosa wichuraiana ( ウィチュラナローズ ) 、Rosa luciae ( ヤエハマナス )、Rosa bracteata ( ヤエヤマノイバラ )、Rosa roxburghii ( チェストナットローズ ) は日本に自生しますが、他のアジア圏でも見られます。Rosa iwara ( イワラローズ ) はmultiflora (ノイバラ) と Rosa rugosa (ハマナス) の交配種と考えられ、野生種ながら原種としない意見があります[ 5 ]。

 日本固有種としては、Rosa acicularis var. nipponensis ( タカネバラ )、Rosa hirtula ( ヒルツラローズ ) 、Rosa nipponensis ( ニッポネンシスローズ )、Rosa onoei ( オノエヤマハマナス )、Rosa uchiyamana ( サクライバラ )、Rosa jasminoides ( モリイバラ ) 、Rosa fujisanensis ( フジイバラ ) が残ります。Rosa acicularis var. nipponensis ( タカネバラ )は、Rosa acicularis (ハリバラ )の変種として扱われることがあります。最近の分枝系統学的分析から、Rosa acicularis (ハリバラ )とは別種であり、むしろRosa nipponensis ( ニッポネンシスローズ )として再分類すべきという意見があります[ 6 ]。

一重咲きと八重咲き:花の構造と進化

 原種バラは通常5枚の花弁を持ちますが、現代の栽培品種の多くは10枚以上の花弁を持つ八重咲きです。この八重咲き形質は、C機能遺伝子AGAMOUSのオーソログであるRhAGの発現パターンの変化によってもたらされることが明らかになっています[ 7 ]。

 八重咲き品種におけるRhAG遺伝子の発現パターンの変化と、それによる雄しべの花弁化の機序:

  1. RhAG遺伝子の役割:
    RhAG(AGAMOUS遺伝子のバラのホモログ)は、通常、花の中心部で発現し、雄しべと雌しべの起点となり発達を促します。
  2. 一重咲き品種での発現:
    一重咲き品種では、RhAGは花芽の中心部全体で発現し、正常な雄しべと雌しべの発達を促します。
  3. 八重咲き品種での発現変化:
    八重咲き品種では、RhAGの発現が花芽の中心部のごく一部に制限されます。
  4. 雄蕊の花弁化:
    RhAGが発現していない領域では、本来雄しべになるはずの器官が花弁に変化します。これが八重咲きの原因となります。
  5. 中心部の器官:
    RhAGが発現している中心部の小さな領域では、依然として雄しべと雌しべが形成される可能性があります。
  6. 花弁の増加:
    結果として、通常の花弁に加えて、雄しべが花弁化したものが追加され、全体として花弁の数が増加します。

 このメカニズムにより、八重咲き品種では多数の花弁が形成され、豪華で華やかな花の形態が生まれます。通常バラの雄しべは約50〜250本、品種によっては300本もありこれらが花弁化するほど大きな八重咲になります。しかしながら、雄しべが減少することは繁殖や育種、生存競争の観点では不利な状況になります。自然な状態では結実が難しく、不稔に近い八重バラとして以下のような園芸種があります。

 これらの品種は、挿し木や接ぎ木などの栄養繁殖によって維持されることが多く、種子からの繁殖は困難です。ただし、完全に不稔というわけではなく、環境条件や個体の状態によっては、稀に結実することもあります。また、現代のバラ育種では、これらの八重咲きの特性を維持しつつ、ある程度の稔性を持つ品種の開発も進められています。

園芸バラの祖:原種バラの系統樹

原種バラの分子系統学的な最新分類:

 最新の分子系統学的研究により、原種バラの系統樹が明らかになってきました[ 4 ]。原種バラには4つのグレード(下図C1~C4の単系統群)があり、ヒマラヤ、ヨーロッパ、中東、中国など各地域で進化分散していった経過がうかがえます。下図の中で☆が付いたバラは、現在園芸種の祖となる原種バラです。

Chengwen Gaoらの図を一部改変:☆は園芸種の祖となる原種バラ

具体的な品種:

 バラの現在園芸種の祖となった原種バラには、以下のような品種があります。

1) ロサ・ガリカ(Rosa gallica、和名:フランスバラ、英名:French Rose)
 ヨーロッパ原産の古い種で、濃いピンクから赤紫色の花を咲かせます。香りが強く、古くから薬用や香水の原料として使用されてきました。多くのオールドローズの祖先となった重要な種です。

photo: by delirium florens

2) ロサ・カニナ(Rosa canina、和名:イヌバラ、英名:Dog Rose)
 ヨーロッパからアジア西部にかけて自生する野生種で、淡いピンクの5弁花を咲かせます。ビタミンCを多く含む果実(ローズヒップ)は、健康食品として人気があります。耐病性に優れ、台木としても使用されます。

photo: by Peter Stenzel

3) ロサ・ルゴサ(Rosa rugosa、和名:ハマナス、英名:Rugosa Rose)
 東アジア原産の種で、耐寒性と耐病性に優れています。花色は白からピンク、紫まで様々で、大きな実(ローズヒップ)をつけます。海岸沿いの厳しい環境でも育つ強健さが特徴です。

4) ロサ・キネンシス(Rosa chinensis、和名:コウシンバラ、英名:China Rose)
 中国原産の種で、四季咲き性を持つことから、現代のバラ育種に大きな影響を与えました。様々な花色を持ち、現代のハイブリッドティーローズの主要な祖先となっています。

photo: by Thomas Quine

5) ロサ・フェティダ(Rosa foetida、和名:キバナノウンゼンバラ、英名:Austrian Briar)
 中央アジア原産の種で、鮮やかな黄色やオレンジ色の花を咲かせます。現代のオレンジ色のバラの主要な遺伝子源となり、バラの色彩をさらに豊かにしました

photo: by Malcolm Manners

6) ロサ・モスカータ(Rosa moschata、和名:ジャコウバラ、英名:Musk Rose)
 原産地は不明ですが、強い香りと多花性が特徴です。小さな白い花を房状につけ、現代のフロリバンダローズやクライミングローズの祖先となりました。

photo: by Malcolm Manners

7) ロサ・ムルティフローラ(Rosa multiflora、和名:ノイバラ、英名:Multiflora Rose)
 東アジア原産の種で、小さな白い花を大量につけます。つるバラの主要な祖先となり、また台木としても広く使用されています。

8) ロサ・ウィチュライアナ(Rosa wichurana、和名:テリハノイバラ、英名:Memorial Rose)
 東アジア原産の種で、地面を這うように成長します。グランドカバーローズの祖先となり、また多くのクライミングローズの育種にも使用されました。

Rosa wichuraiana
photo: by fuwarose

9) ロサ・アルベンシス(Rosa arvensis、和名:ノハナイバラ、英名:Field Rose)
 ヨーロッパ原産の種で、小さな白い花を咲かせます。つる性の成長をする特徴があり、多くのクライミングローズの祖先となりました。耐陰性に優れ、半日陰でも育つことができます。

10) ロサ・ケンティフォリア(Rosa centifolia、和名:ケンティフォリアローズ、英名:Cabbage Rose)
 多くの花弁を持つ大輪の花が特徴で「百枚バラ」とも呼ばれます。強い芳香があり、香水産業で重要な役割を果たしました。現代のフルール・ド・マイ(花びら数の多いバラ)の祖先となっています。

11) ロサ・ギガンテア(Rosa gigantea、和名:オオイバラ、英名:Giant Rose)
 ヒマラヤ原産の種で、非常に大きな白い花を咲かせます。現代の大輪花のバラの遺伝子源となり、バラの花のサイズを大きくする上で重要な役割を果たしました。

photo: by T.Kiya

原種バラから遺産バラへ:園芸バラの進化

 遺産バラ(Heritage Roses)は、現代のハイブリッドティーローズなどが登場する以前の古い品種のバラを指します。これらは一般的に1867年以前に作られたバラ品種を指し、より自然な形状と強い香りを特徴としています。野生種のバラが自然交配(natural crosses)と突然変異(mutations)を通じて徐々に進化し、様々な遺産バラ(Heritage Roses)が生まれました[ 8 ]。

具体的な品種:

 原種バラが自然に交配し、また突然変異を起こすことで、徐々に新しい特徴を持つバラが生まれました。人間の選抜育種も加わり、より魅力的な特徴(花の大きさ、色、香り、繰り返し咲く性質など)を持つバラが選ばれ、保存されていきました。

 このプロセスは何世紀にもわたって続き、様々な特徴を持つ遺産バラ(Heritage Roses)が生まれました。これらのバラは、現代のバラ育種の基礎となり、現在の多様なバラ品種の起源となっています。

バラの品種改良の歴史:伝統と革新

 18世紀後半から19世紀にかけて、バラの品種改良が本格的に始まりました。この時期、ヨーロッパの育種家たちは、東洋から導入された新しい種類のバラと在来種を交配させ、新しい品種を次々と生み出しました[ 9 ]。

オールドローズの時代

 18世紀末から19世紀前半にかけて、ガリカ系、ダマスク系、ケンティフォリア系などのオールドローズが人気を博しました。これらは香りが強く、花形が豊かな特徴を持っています。

例:「ルイーズ・オディエ」(Louise Odier、1851年作出)
 ブルボン系のオールドローズで、明るいピンクの花を咲かせ、強い香りを放ちます。

モダンローズの誕生


 1867年、「ラ・フランス」(La France)が作出され、これが最初のハイブリッドティーローズとされています。モダンローズの時代の幕開けです。

20世紀の品種改良


 20世紀に入ると、より多様な色彩や形状、四季咲き性、耐病性などを目指した品種改良が進みました。

例:「ピース」(Peace、1945年作出)
 第二次世界大戦終結の年に発表された黄色とピンクのグラデーションが美しいハイブリッドティーローズで、20世紀を代表するバラの一つです。

photo: by John

現代のバラ


 近年は、香りの復活や環境耐性の向上、コンパクトな樹形など、様々な特徴を持つバラが作出されています。

例:「イングリッシュローズ」シリーズ
 デビッド・オースティンによって開発された系統で、オールドローズの香りと花形を持ちながら、現代のバラの特性を併せ持つ品種群です。

photo: by BOLTandK2

 これらの品種改良の成果は、バラの多様性を大きく広げました。現代では、数万種もの園芸品種が存在し、それぞれが独自の美しさを持っています。

現代の育種技術:未来のバラを創造する

 現代のバラ育種は、伝統的な交配技術と最新の科学技術を組み合わせて行われています。

1) 従来の交配育種
 目的の特性を持つ親株同士を人工的に交配させ、得られた種子から新しい個体を育成します。この方法は時間がかかりますが、今でも主要な育種方法の一つです。

2) 突然変異育種
 放射線や化学物質を用いて人為的に突然変異を誘発し、新しい特性を持つ個体を選抜します。

3) 組織培養技術 [ 10 ]
 メリステム(成長点)培養や胚培養などの技術を用いて、効率的に新品種を増殖したり、ウイルスフリーの苗を生産したりします。

4) 遺伝子工学 [ 11 ]
 特定の遺伝子を導入したり、編集したりすることで、従来の交配では得られない特性を持つバラの開発が進められています。例えば、青いバラの開発などが挙げられます。

5) マーカー選抜育種 [ 12 ]
 DNA マーカーを利用して、目的の遺伝子を持つ個体を効率的に選抜する技術です。これにより、育種期間の短縮が可能になります。

6) ゲノム編集技術 [ 13 ]
 CRISPR-Cas9 などの最新のゲノム編集技術を用いて、特定の遺伝子を正確に操作することが可能になっています。この技術は、病害抵抗性や環境耐性の向上などに活用されることが期待されています。

 これらの技術を駆使して、育種家たちは日々新しい品種の開発に取り組んでいます。育種の現場では、交配作業を行う様子や、実験室でのDNA分析、組織培養の様子などが見られます。これらの写真は、バラ育種の最前線を垣間見ることができる貴重な資料となります。

バラの未来:展望と期待

 バラ目植物の未来は、さまざまな可能性に満ちています。以下に、いくつかの展望を紹介します。

1) 新しい色彩と形状
 遺伝子工学の発展により、これまでにない色彩や形状のバラが生み出される可能性があります。例えば、真の青色のバラや、螺旋状の花弁を持つバラなどが考えられます。

2) 環境適応性の向上
 気候変動に対応できる品種の開発が進むでしょう。耐暑性、耐寒性、耐乾性などを備えた品種が求められています。

3) 病害虫抵抗性の強化
 遺伝子編集技術を用いて、主要な病害虫に対する抵抗性を持つ品種の開発が進むと予想されます。これにより、農薬の使用量を減らすことができる可能性があります。

4) 機能性成分の強化
 バラの花びらやローズヒップに含まれる機能性成分を増強した品種の開発が進むかもしれません。これにより、健康食品や化粧品原料としての価値が高まる可能性があります。

5) 都市緑化への活用
 コンパクトで管理しやすい品種や、大気浄化能力の高い品種など、都市環境に適した新しいタイプのバラが開発されるかもしれません。

6) バイオテクノロジーへの応用
 バラの持つ香り成分の生合成経路を解明し、他の植物に導入することで、新しい香りを持つ植物を作り出す研究なども進められています。

7) 宇宙農業への挑戦
 将来の宇宙ステーションや惑星基地での栽培を目指して、極限環境下でも生育可能なバラの開発が行われるかもしれません。

 これらの未来の可能性を示すコンセプトアートやCGは、私たちの想像力を刺激し、バラ目植物の潜在的な可能性を示唆します。例えば、青く光るバラや、立体的な螺旋構造を持つバラ、宇宙ステーションで栽培されるミニチュアローズなどのイメージが考えられます。

まとめ

 バラ目植物は、古代から現代に至るまで、人類の歴史と共に歩んできました。食用、観賞用、薬用など、多岐にわたる用途で私たちの生活を豊かにしてきたこれらの植物は、今後も科学技術の進歩とともに進化を続けていくでしょう。

 しかし、新しい品種の開発や技術の進歩だけでなく、原種の保護や伝統的な品種の保存も重要です。生物多様性の維持と、人類の文化遺産としてのバラの価値を守ることが大切です。

 バラ目植物の魅力は、その美しさや香り、実用性だけでなく、人類の歴史や文化、科学技術の進歩を映し出す鏡でもあるのです。未来のバラがどのような姿を見せてくれるのか、私たちはこれからも期待と興味を持って見守っていく必要があります。

用語説明:

  • 分子系統学: DNAなどの分子情報を用いて生物の進化系統を解明する学問分野。
  • C機能遺伝子: 花の発生において、雄しべと雌しべの形成を制御する遺伝子。
  • オーソログ: 異なる生物種間で、共通の祖先から進化した相同な遺伝子。
  • 雄しべの花弁化: 本来雄しべになるはずの器官が花弁に変化する現象。
  • 栄養繁殖: 種子を介さず、植物体の一部を用いて新しい個体を増やす方法。
  • 単系統群: 共通の祖先から進化した、すべての子孫を含む生物のグループ。
  • オールドローズ: 1867年以前に作られた古い品種のバラの総称。
  • ハイブリッドティーローズ: 19世紀後半に誕生した、現代バラの代表的な品種群。
  • メリステム: 植物の成長点にある分裂組織。
  • DNAマーカー: 生物の遺伝的特徴を示す目印となるDNA配列。
  • ゲノム編集: 生物のDNA配列を人為的に改変する技術。

参考文献:

[ 1 ]: Phylogenetic Relationships in the Genus Rosa: New Evidence from Chloroplast DNA Sequences and an Appraisal of Current Knowledge

[ 2 ]: Phylogenomics and the rise of the angiosperms

[ 3 ]: Identification and assessment of variable single-copy orthologous (SCO) nuclear loci for low-level phylogenomics: a case study in the genus Rosa (Rosaceae)

[ 4 ]: Comparative analysis of the chloroplast genomes of Rosa species and RNA editing analysis

[ 5 ]: Rosa collected by siebold and his collaborators from Japan

[ 6 ]: Phylogenetic Analysis of Japanese Rosa Species Using matK Sequences.

[ 7 ]: Tinkering with the C-Function: A Molecular Frame for the Selection of Double Flowers in Cultivated Roses

[ 8 ]: On the Origin of Cultivated Roses: DNA Authentication of the Bourbon Rose Founding Pedigree

[ 9 ]: Genetic relationships and evolution of old Chinese garden roses based on SSRs and chromosome diversity

[ 10 ]: Advances in Plant Tissue Culture

[ 11 ]: Challenge for “blue roses”

[ 12 ]: Recent advancements in molecular marker-assisted selection and applications in plant breeding programmes

[ 13 ]: An efficient CRISPR/Cas9 platform for targeted genome editing in rose (Rosa hybrida)

販売

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