一般名・商品名
ウケユリ
英名
Uke_Lily
生態系被害防止外来種リスト(2020.11.02改訂)
収載 | 区分 | 法的対応 | 栽培 |
---|---|---|---|
なし | 日本固有種 | なし | 注意点 |
紹介
ユリ科ユリ属に属する多年草、学名は Lilium alexandrae Hort. ex Wallace で、花季は6月上旬から中旬です。草丈40~80cmほどの希少な固有種で、奄美大島から徳之島にかけての島々の岩場に自生しています。特に請島に多く自生していたことから「ウケユリ」と名付けられました。現在は環境破壊や乱獲により激減し、鹿児島県レッドリストで絶滅危惧I類に指定されている貴重な植物です。
花は大輪で純白、テッポウユリより一回り大きく、水平かやや上向きに咲きます。強く甘い芳香があり、数十メートル先まで香りが漂います。新鮮な花粉は鮮やかな赤紫色で、白い花びらとのコントラストが美しいです。葉はクマザサに似て茎の四方に伸びます。
育成には細心の注意が必要です。岩の隙間に根を張る性質があるため、排水性の極めて良い土壌が不可欠です。半日陰を好み、直射日光は避けます。夏の高温と乾燥に弱いため、涼しく湿度の高い環境を維持することが重要です。冬は休眠しますが、霜には弱いので防寒対策が必要です。
鑑賞には、自然の岩場を模したロックガーデンが最適です。または深めの鉢に植え、排水性の良い用土を使用した鉢植えでも楽しめます。いずれの場合も、風通しの良い半日陰の場所に置きましょう。
同じユリ科のテッポウユリやヤマユリと比べ、ウケユリは生育環境が極めて限られています。また、花の形状や香りの強さ、開花時期なども異なり、ウケユリならではの特徴を持っています。
ウケユリには、島の人々との深い結びつきがあります。かつては請島の人々にとって身近な存在でしたが、今では「幻のユリ」と呼ばれるほど希少になりました。地元の保護団体や研究者たちによる懸命の保護活動が続けられており、この美しい花を後世に残そうとする努力が続いています。