一般名・商品名
ヒカゲノカズラ
英名
Clubmoss
生態系被害防止外来種リスト(2020.11.02改訂)
収載 | 区分 | 法的対応 | 栽培 |
---|---|---|---|
なし | 在来種 | なし | 注意点 |
紹介
ヒカゲノカズラはヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属に属するツル性シダ植物の多年草です。学名は Lycopodium clavatum で、主に夏に胞子を形成します。北半球の温帯から寒帯、熱帯の高山に広く分布し、日本では北海道から九州までの山地の日当たりの良い場所に自生しています。その名の通り、日陰を好むように思われますが、実際には日向を好み、他の植物が生い茂る前にいち早く成長し、光合成を行います。
ヒカゲノカズラは鮮やかな緑色の葉を持ち、一見するとコケのようにも見えますが、れっきとした維管束植物です。シダ植物と同様に胞子で繁殖し、胞子嚢穂と呼ばれる棒状の器官に胞子嚢をつけます。芳香はありませんが、その独特の形状と深い緑色は、観賞用として高い価値を持ちます。
育成の注意点としては、直射日光を避け、明るい日陰で管理することが重要です。水はけの良い土壌を好み、乾燥には弱いため、土壌の湿度を保つように注意が必要です。耐寒性は非常に高く、寒冷地でも問題なく越冬できます。
ヒカゲノカズラは、グランドカバーとして庭園に植栽したり、苔玉や盆栽の下草として利用されることもあります。また、その独特の風合いから、フラワーアレンジメントの素材としても人気があります。近年では、テラリウムなどのガラス容器で育てることも流行しており、室内でもその美しい緑を楽しむことができます。さらに、水の中でも長期間腐敗しないので、金魚や鯉を産卵藻場として使用されます。
ヒカゲノカズラは、シダ植物と同じ胞子で繁殖しますが、シダ植物とは異なり、葉に葉脈が一本しかありません。また、ヒカゲノカズラは、種子植物と同様に根、茎、葉の区別がはっきりとしています。
ヒカゲノカズラは、古くから日本人に親しまれてきた植物で、その歴史は古事記や日本書紀にも記されています。天岩戸の神話では、天照大神が天岩戸に隠れた際に、アメノウズメノミコトがヒカゲノカズラを身につけ、踊りを舞ったとされています。また、その胞子は石松子と呼ばれ、漢方薬や花火の原料として利用されてきました。現代でも、ヒカゲノカズラは神事やお祝いの席で飾られるなど、日本の伝統文化と深く結びついています。その神秘的な緑は、私たちに太古の自然を思い起こさせます。
コラム
現代の多くの維管束植物では、茎と根のメリステムの発生過程や構造に明確な違いがあります。茎頂メリステムは通常、層状構造を持ち葉原基を形成しますが、根端メリステムは異なる構造を持ち、根冠を形成します。
ところが、ヒカゲカズラの根と茎のメリステムが類似した構造と分裂パターンを示すことがわかりました。この特徴は、約4.2億年前の初期陸上植物の形態に類似していました。論文
自動車が初めて蒸気で動いた後、動力がガスー電気ーガソリンー水素と進化する中、動けばイイの精神で蒸気エンジンを貫いている感じでしょうか。システムに対する効率が良ければ、進化自体が無駄なエネルギーなのかも知れません。
販売
【めだか街道】ヒカゲノカズラ 3束